1型糖尿病ではインスリン分泌が枯渇してしまうため、外からインスリンを補充することが必要です。
糖尿病でない健常人のインスリン分泌には、下記の2種類があり、図1にも示します。
- 基礎分泌:1日中少しずつ分泌されるインスリン
- 追加分泌:食事で血糖値が上昇したことに反応して一時的に分泌されるインスリン
1型糖尿病

1型糖尿病は生活習慣とは関係なく、ある日突然発症します。
そして、それ以降は一生涯にわたるインスリン治療が必要となります。
「なぜ自分が発症したのだろうか。」
「なにか悪いことをしたのではないか。」
そのような思いを抱き、病気を受け入れることが難しい方も少なくありません。
しかし、徐々に病気と向き合い、適切な治療を続けながら、仕事や学業、スポーツ、子育てなど、それぞれの目標に向かって充実した人生を送られている方もたくさんいらっしゃいます。
当院では、一人一人のライフスタイルに合わせたインスリン治療を提案するのはもちろんのこと、患者様同士が交流できる場のご紹介や、最新の治療機器・治療法に関する情報提供を通じ、皆様が前向きに治療に取り組めるようサポートいたします。
私自身、大阪医療センター勤務時代に、1型糖尿病を抱えながらプロ野球選手として阪神タイガースやWBC日本代表で活躍された岩田稔様と、講演会でご一緒する機会がありました。
高校時代に1型糖尿病を発症しながらも夢をあきらめなかった岩田様の、「やらな、しゃーない」という、困難を前向きに受け入れる力強い言葉に、深く感銘を受けました。
1型糖尿病とともに歩む人生には、さまざまな不安や悩みがあります。当院は、その一つ一つに寄り添いながら、皆様が自分らしい生活を送れるようサポートしたいと考えています。
リブレやDEXCOMでのCGM(持続血糖測定)、インスリンポンプにも対応しています。
どうぞお気軽にご相談ください。
1型糖尿病とは、何らかの原因によって膵臓のβ細胞が破壊され、インスリンがほとんど、または全く分泌されなくなって生じる糖尿病です。免疫機能の異常などにより自分の細胞を攻撃してしまう「自己免疫」の関与が考えられており、生活習慣は関係ありません。
お子さんや若い世代での発症が多いですが、大人になってから発症することもあります。
インスリン分泌が極度に低下すると、意識障害を伴う「糖尿病ケトアシドーシス」という病態に至ることがあり、非常に危険です。基本的には生涯にわたりインスリン加療が必要となります。
インスリンの分泌が極端に低下、もしくは全くなくなると、ケトアシドーシスという血液が酸性に傾く病態に至ります。その場合、昏睡に陥り、命にかかわる場合があります。
1型糖尿病は進行の速度によって、以下の3つに分類されます。
劇症1型糖尿病
ウイルス感染などをきっかけに、わずか数日間でインスリン分泌能力がほぼすべて破壊されてしまう病態です。症状が出現してから、数日のうちにインスリン治療を開始しなければ生命にかかわります。急激に発症するため、血糖値が高いのに比して、HbA1cが低いことが特徴です。
血液検査で自己抗体は認めないことが多いです。
急性発症1型糖尿病
症状が出現して、概ね3か月以内にケトアシドーシスの状態に至ります。
発症した後に、一時的に残っているインスリン分泌能力が改善する時期(ハネムーン期)がある方もいますが、そのあとは再びインスリン治療が必要となります。1型糖尿病で最も頻度の高い典型的な病態です。
血液検査で自己抗体を認めることが多いです。
緩徐進行1型糖尿病
発症後半年~数年をかけて、ゆっくりとインスリン分泌能力が低下していく病態です。
初めは2型糖尿病と同様にインスリンを使用しなくても血糖値を管理することが可能ですが、経過中の血液検査で自己抗体を認め、実は緩徐進行1型糖尿病であったと判明することもあります。
その場合、膵臓に負担をかける経口血糖降下薬は使用せずに、インスリン療法を開始することが望ましいとされています。
下記の検査を組み合わせて病態把握を行います。
ただし、急性発症や劇症が疑われる際は、命にかかわるため、検査結果を待たずに連携医療機関へ紹介します。
図1 健常人のインスリン分泌
1型糖尿病ではインスリン分泌が枯渇してしまうため、外からインスリンを補充することが必要です。
糖尿病でない健常人のインスリン分泌には、下記の2種類があり、図1にも示します。
図2 インスリン頻回注射療法
インスリン頻回注射療法では図1のインスリン分泌を再現するために2種類のインスリン製剤を使い分けます(図2)。「基礎分泌」を補う「基礎インスリン(持効型インスリン)」を1日1回注射します。それに加えて「追加分泌」を補うための「追加インスリン(超速効型インスリン)」を各食事の前に注射します。食事回数にもよりますが、基本的には1日4回の皮下注射が必要です。
短期的な血糖上昇をもたらすのは炭水化物(英語ではカーボハイドレートであり、略してカーボといいます)です。そのため、食事中の炭水化物量の計算に基づいて追加インスリン投与量を調整する方法をカーボカウントといいます。
基礎カーボカウントと応用カーボカウントに分類されています。
基礎カーボカウントでは炭水化物の量を把握(カウント)して一食あたりの炭水化物の量を一定にすることで、血糖値の安定化を図ります。
応用カーボカウントでは摂取する炭水化物の量にあわせてインスリン注射の単位数を調整し、血糖値をコントロールします。応用カーボカウントは1型糖尿病の方や、自己のインスリン分泌能が低下して頻回インスリン注射を行っている2型糖尿病の方に有効です。
当院では、管理栄養士によってカーボカウントの指導・サポートも行っております。
インスリンポンプは、体の外に小型のポンプを装着し、細いチューブやカニュレを通して皮下に持続的にインスリンを注入する治療法です。ペン型に比べてきめ細かい単位の調整が可能であり、基礎インスリンに関しても時間ごとに投与量を変更することが可能です。食事の際の追加インスリンも、ボタン操作で簡単に投与できます。チューブ交換は3日毎ですので、穿刺も3日に1回ですみます。
また持続血糖測定センサーとインスリンポンプを連動させ、基礎インスリンの自動調整や補正インスリンの自動投与を行うAID(Automated Insulin Delivery)療法も可能です。
注意点としては、ポンプ操作や身体への装着方法に慣れるまで習得が必要であること、機器の不具合やトラブルの際は迅速な対応が求められること、インスリン頻回注射療法と比較すると費用が大きくなることなどがあげられます。
持続血糖測定センサーと連動させることが可能なミニメド780Gや、チューブレス型のメディセーフウィズがあります。


当院では外来での新規インスリンポンプ導入は行っておりません。
導入をご希望の際は、院長が以前勤務しており、国内でも有数の1型糖尿病診療の実績を誇る大阪医療センターへ責任を持ってご紹介いたします。インスリンポンプの導入実績も豊富ですので、安心して治療を受けていただけます。
なお、大阪医療センターでの導入後、当院での継続診療も可能です。
また、すでに他院でインスリンポンプを使用されている方の継続診療も積極的に受け付けておりますので、いつでもお気軽にご相談ください。
糖尿病治療の費用は注射製剤の使用の有無、血糖測定の有無・種類、インスリンポンプの有無・種類によって異なります。
詳細な治療費用に関しては下記リンクをご参照ください。
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